狸ネイル

まあ化かしあいだから。
寝坊起き。
ぎりぎりなんとか間に合う。
授業つるつると。
と、メール。出版社時代にお世話になったY氏が亡くなったとのこと。
演劇部を生徒らに任せて早めに退出。
お通夜に顔出すことにする。
場所はなかもず。
御堂筋線を端から端まで移動。
駅降りて、さて場所が分からない。
家々に住所の表示がないからだ。
しばらく迷ってなんとか到着。
遊気舎時代の先輩方がいらっしゃいました。
Y氏は、岩橋が出版社にいたときの先輩であり、尊敬する上司であった。
岩橋は仕事が長続きしない男で、あっという間に会社は辞めてしまったが(クビになったのだが)、Y氏もしばらくしてそこを辞めたようだった。
近年は、時折劇場で、お互いお客さんとして挨拶する程度の関係になってしまっていた。
まあそれでも、劇場に行けば会えるのだから、と。
呑気なものである。
死因は、詳しく聞ける様子でもなかったので、ちょろっと小耳に挟んだ程度だが、まあ、事故のようなものか。
またしても酒と薬関係のようだった。
近年、そっちで知人を亡くすことが多い。
この世界は、一部の(多くの)人々には、生きにくく、でもだからといって生きるのをやめてしまうと、そこにはもう本当になにもなく。
生きて、なんとなく毎日を過ごしている人生、そして、ふとしたきっかけで垣間見える裏側。
なんだか複雑な気持ちで家に帰ると、
母屋ではいい年こいたおっさんたちが、ニコニコ動画で大盛り上がり。
ばかばかしいその内容にわあわあやっている大人たちの姿を見て、
命というのは大事にすれば一生使えるのだなあと、
柄にもなく感動してしまった。
あえて言えば、生きているって素晴らしい。
まあそんな恥かしいこと、こんな機会でもないと口にはしないけれど。
ちなみに見ていたニコは、いさじ。
パラパラと本読んで寝た。