添うていない

堀江君はひとりぼっち。
おじさんが死んでしまった。
父の弟で、大酒のみで、陽気なおじさんだった。
親戚では、一番好きだった。
ずいぶん前から身体を壊して寝たきりになっていたのは聞いていたが、ついにその日が来たのだ。
お通夜にも葬式にも行く時間がないので、とりあえず、死に顔だけ見に愛知県まで。
おじさんの家は碧南市にあって、素人はこの地名が読めない。
おじさんは婿養子に出た人なので、先方の親戚はほとんど知らない人ばかりだった。
二人の従兄弟はそれぞれに結婚しており、その子供が生まれた直後に亡くなったのだという。
まあ、いい報告聞いたあとでよかったのではないかな。
おじさんは、棺の中で小さくなっていた。
こんなに小さい人ではなかったと思うが、もう長いこと会ってなかったので、なんともいえない。
滞在時間30分。
すぐさま電車に乗り、大阪へ。
夜の稽古に間に合いました。